Japanese spiritスピリチュアルジャーニー

「Natural Multidimensional Mandala」自然立体曼荼羅

スピリチュアルジャーニー epi.5
スピリチュアルな視点からアイデンティテーを探る旅
"A journey to explore identity from a spiritual perspective"

曼荼羅という世界観

仏教美術はインドで生まれ、中国や朝鮮半島を経て、日本に伝来し仏教の教えを視覚的に表現し、信仰を深めるために発展した。
平安時代初、空海(774~835)は遣唐使として唐に渡り密教を学び帰国時に密教経典や密教法具など持ち帰り日本に伝えた。その中に《両界曼荼羅(高雄曼荼羅)》があった、それは日本最古の曼荼羅である。

曼荼羅は宇宙を図案化したもので、《両界曼荼羅》は「金剛界」と「胎蔵界」の二つの世界観からなる。
「金剛界」は何ものにも屈しない大日如来の智慧を表現し、「胎蔵界」は母の胎内で命を育むような大日如来の慈悲が、あらゆる存在を包み込むように広がっていく様を表している。

密教でいう宇宙とは森羅万象そのものであり、外的な宇宙空間だけでなく、内なる世界という次元的な要素を含む。
それは、元の語源であるサンスクリット語のMandalaは「真髄・本質を得る」という意味を持っていることからも推測される。

宇宙空間といえば、高雄曼荼羅は紫色の綾地に金銀泥で描かれており、輝く金銀泥は夜空に輝く星のようだ。

当時、庶民にとっては労役、兵役、そして飢饉、地震等の災害に苦しんだ時期であった。
庶民の心の拠り所と国家の安泰を祈るために仏教は必要不可欠であり、図案化された曼荼羅によって仏教の広まりが容易にそして、盛んになったのだろう。


高野山全体が曼荼羅の一部だった

空海は高野山に金剛峯寺を開山し、その功績は大きいとされている。
高雄曼荼羅は花と鳳凰を組み合わせた模様を拵えており自然を取り入れた特性は、高野山での自然を融合させた修行風景を思わせる。
高野山全体が曼荼羅の一部であるとも言われている。

皆が救われるためには、「一人一人が仏様」ということに気づいてほしい。と願った。
曼荼羅は山の自然に溶け込み、人もまたそこに溶け込んでいくような、密教の教え。

高野山に参詣した際に感じた、あの神聖で心地よい感じ。

ここにくれば、一人一人が曼荼羅の中に入り、その一部となる。

高野山は、そんな自然立体曼荼羅なのだ。



The Natural Multidimensional Mandala serves as both a spatial and symbolic representation of the interconnectedness inherent in nature — a convergence of form, energy, and meaning

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